新刊『奇妙な祭りー日本全国<奇祭・珍祭>四十四選』(角川書店)を絶賛発売中です。
今回は、次のような奇祭を取り上げています。
・泥だらけの怪人が人々を襲う「パーントゥ」(宮古島)
・おっぱいを崇拝する「おっぱい祭り」(北海道)
・神官に大根を投げつける「あらい祭り」(千葉)
・意識を失い、ヘロヘロになった男が牛に乗る「牛乗り・くも舞」(秋田)
・女装したおっさんが札をまきまくる「お札まき」(神奈川) ……などなど、です。
★執筆依頼・祭りの写真の貸し出し・講演依頼など、随時承っております。こちらまでお気軽にお問い合わせください。
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笑い祭り |
かなまら祭り |
キリスト祭り |
●笑い祭り(和歌山)
不気味なメイクをした「怪人」が、「笑え笑え〜」とみんなを無理やり笑わせていく。
●道祖神祭り(長野)
巨大な木の男根が町を練り歩く。女性を捕まえては男根の上に乗せ、ゆっさゆっさ揺さぶって遊ぶ。安産祈願があるらしい。
●ロケット祭り(秩父)
手製のロケットを、一日中ボンボン打ち上げていく。現地は有名な「秩父暴動」の起こった現場であり、また秩父は昔から有名な火薬の産地であった。鬱屈した反体制的な情熱と豊富な火薬が、この危険な祭りへと人々を駆り立てたのではないか。
●烏相撲(京都)
神官が土俵の上で「カーア、カーア」泣き叫ぶ。その後で子供たちが相撲をとって、これは子供たちへの「応援」らしい。どこが「応援」なのかは分からないが。
●くらやみ祭り(京都)
あたりの電気を消して、完全な暗闇の中で行われる祭り。かつては「種つけ祭り」と呼ばれ、乱交の祭りだったらしい。
●化け物祭り(山形)
顔を隠し、花笠をかぶった「化け物」が、通行人に無言で酒を注いでいく。
●くじら祭り(和歌山)
日本で最初に捕鯨を始めたという太地町の、古代の捕鯨を再現した祭り。小さな町の小規模な祭りだが、なぜか不自然なほど欧米人の観客が多い。
●がま祭り(筑波)
「がまの油」の本拠地・筑波に、全国からがまの油売りが集まってきて、コンテストをやる。演歌歌手が『筑波のがま太郎』という歌を歌ったり、がまの神輿が出てくる。
●泣き相撲(栃木)
赤ちゃんを二人連れてきてにらめっこさせて、泣いたほうが勝ち。
●ひとり相撲(愛媛)
稲の精霊と相撲をとり、精霊が勝てば今年の豊作が約束される。つまり、ひとり相撲。毎年精霊が勝つことになっているらしい。
●水止舞(東京)
男を俵でぐるぐる巻きにして、道をゴロゴロ転がしていく。容赦なく水をぶっかけ、男はそのたびに悲しげに「ブォーブォー」法螺貝を吹く。雨を止めるまじないらしい。
●国府宮はだか祭(愛知)
素っ裸の「神男」が現れ、これに触れると一年の厄が落とされるという。数万人もの男たちがこの「神男」に殺到するため、神男は殴られ蹴られこづかれ、時には死に至ることもある。
●蛙飛び行事(奈良)
きぐるみの蛙がぴょんぴょん飛び跳ねる。かつて神仏を侮って蛙に変えられた男の故事にもとづく。
●あばれ祭り(石川)
みこしを地に叩きつけ、火で焼き、泥の川に投げ込み、徹底的に破壊する。みこしを壊せば壊すほど、神は喜ぶという。
●ウンジャミ(沖縄)
海の神を巫女たちが迎える祭り。巫女の高齢化が懸念される。
●オロチョンの火祭り(北海道)
北海道のすでに絶滅した民族を悼むため、炎の周りで踊りまくる。シャーマンはアイヌである。
●ざる破り(三重)
男たちが寄ってたかってひとつのざるを破りまくる。
●吉田の火祭り(山梨)
日本三大奇祭のひとつ。富士山麓が火の海になる。
●面掛行列(神奈川)
一説では、源頼朝が被差別部落の娘をはらませてしまったため、一年に一度その一族と、面をかぶり顔を隠して町を練り歩くようになったという。
●鉄砲祭り(秩父)
火縄銃がとどろく中を、馬が駆け抜けていく。馬の走り方で吉凶を占ったらしい。
●ジンガラ餅神事(千葉)
大きな餅を裸の男たちが寄ってたかって引きちぎる。餅の割れ方で吉凶を占う。
●鵺祓い祭り(静岡)
源頼政が可愛い着ぐるみ鵺を退治する。素敵な「鵺ダンス」が見もの。
●子供強飯式(日光)
青々としたひげをペンで書き、大人の格好をした子供が、大人に無理やり飯を食わせる。
●悪態祭り(群馬)
真っ暗の山道を登りながら、てんで勝手に「馬鹿野郎ー!」と叫び悪口を言いあう。真っ暗で顔がわからないから、何を言ってもいいらしい。
●かなまら祭り(神奈川)
ピンク色の巨大な男根みこしを、ニューハーフの人々が担いでいく。東京のニューハーフクラブが企画し、世界中からゲイが集まる有名な祭りである。
●おんだ祭り(奈良)
おかめと天狗がベッドシーンを演じる、「モロ」の祭り。
●ひげなで祭り(千葉)
男たちが口に豊かなひげをたくわえ、自慢げになでながら酒を飲む。引継ぎの儀式とか。
●尻ふり祭り(福岡)
神官が尻をぶんぶん振って豊作を願う。
●灘のけんか祭り(兵庫)
みこしをぶつけ合い、戦争する日本でも有数の激しい祭り。地元では「やくざ祭り」とも言われ、刺青の担ぎ手も多い。
●一夜官女祭り(大阪)
女性を一人「ヒヒ」のいけにえに捧げる。似たような人身御供の祭りは、全国にある。
●おしろい祭り(山口)
洗面器におしろいをため、顔をつけて、おしろいのつき具合で吉凶を占う。アメ食い競争した子供のような顔になる。
●つぶろさし(佐渡)
ひょっとこが巨大なイチモツを振りかざして踊りまくる。
●鍋かぶり祭り(滋賀)
幼女が頭に鍋をかぶって歩き回る。かつて、女性の男性経験の数にしたがって、頭に鍋をかぶって行列したらしい。
●へトマト(長崎)
4メートルの巨大なわらじに女性を乗せ、ぼんぼんジャンプさせる。
●うじ虫祭り(愛知)
囃方が酒に酔っ払ってフラフラ歩き、途中で道路にごろりと寝転がる。その様子がうじ虫そっくりである。
●ジャランポン(秩父)
「葬式祭り」ともいう。酒に酔っ払った男が頭に三角巾をつけ、幽霊の格好をして棺おけの中に横たわり、みんなが周りでお経を唱える。
●ずいき祭り(京都)
野菜のみこしが町を練り歩く。
●オホホ祭り(愛知)
神官が夜の熱田神宮に集まり、「オホホ、オホホ……!」と笑い狂う。
●キリスト祭り(青森)
キリストの墓がある!と一部で有名な青森県新郷村の、キリストの魂を慰める祭り。かの「キリストの墓」の前で玉串奉天が行われ、獅子舞いを舞い、それからおばさんがズラズラ出てきて、ヘブライ語の歌とされる、新郷村に伝わる奇怪な「ナニヤドヤラ」を踊る。
●恐山大祭 (青森)
イタコが恐山に集まってきて、10分4000円で死者のメッセージを伝える。イタコが活動するのは、この祭りの期間だけである。
●日光強飯式(栃木)
マッチョでホモっぽい山伏が、「頭が高い〜!」と、無理やりてんこ盛りのご飯を食わせていく。
●撞舞(茨城)
カエルの格好をしたとび職が、地上数十メートルのはしごの上でアクロバットな曲芸を。
●嫁ごの尻たたき (小倉)
若い嫁さんのお尻を、子供たちが棒でつついていたぶる。同様の風習は、かつては全国にあったらしい。
等々……