日本ふしぎ祭

9月28日 道祖神祭り(長野・美ヶ原温泉)



「道祖神」というと、道端にぽつりとたたずんでいる地蔵のことなんかを言うと思っていたが、ここでは「男根」を意味するのである。まいった。
巨大な木の男根が、悠然と美ヶ原の温泉街を練り歩くのだ。
これは地元の温泉協会が企画したものらしく、男根が街のホテルや旅館を一軒一軒訪ねていく。
そして若い女性を捕まえては無理やり男根の上に乗せ、ゆっさゆっさ前後に揺さぶって遊ぶ、という趣向である。
安産祈願があるらしいが、この祭り、酒に酔っ払った下卑たオヤジが一番元気だったのが印象的だった。
男根に乗った女性には、記念撮影と、おみやげに男根の形をした飴をプレゼント……。

ある旅館でのこと。
男根を担いでいた男たちが、宿の中年のおかみさんにこう呼びかけた。
「おかみさん、どうですか。いっちょ乗ってみませんか!」
おかみさんいわく、
「いや、けっこうです。じゅうぶん足りてますわ」

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