コートク的生活
 


連載エッセイ                                          

栄光のNo.1-No.10は、こちらをクリック!

 No.20   マラドーナ 戦慄の来日(630)

 

マラドーナが来日した。かつてコカイン所持で捕まったこの恐るべきフォワードが、外務省の特別な計らいでビザが下りてやってきたらしい。

と、サッカーにはまったく興味がない僕も一人で感動していると、電車の中でおっさんがスポーツ新聞を開げているのを見かけた。そこには大きく、こう書いてあった。

 

「ブヨブヨ ハラドーナ」

 

たしかに写真で見るマラドーナはぶくぶく太り、信じがたいほど醜くかった。

しかし、かりにも「アルゼンチンの英雄」と呼ばれた男に、これはないだろう。

20020629日。

この日は、永遠に世界の歴史の中に記憶されるだろう。

アルゼンチンの英雄が、たかが日本のスポーツ新聞の「ダジャレ」に完敗した日である。

 

       

  

No.11 東京でなぜか牛乳飲み放題の店(10月19日)

友人に、奇怪な店があると言われて、連れて行ってもらった。

 それは、大手町のあるビルの、地下にある。なぜか、わずか100円で牛乳が呑み放題なのである。

 牛乳は、ホットとアイスの2種類用意してある。自分で自由に飲めるようになっていて、「ご試食ください」という掲示とともに、チーズまで好きに食べられる、というスグレモノなのだ。

 じつは、この店は大手町のJA(つまり農協)ビルの地下にある。つまり、これは農協経営の店なのだ。思わず、納得。

 店はなかなか明るい晴れやかな雰囲気で、牛乳や牧畜、チーズに関する本が置いてある。日経新聞、サンケイ新聞と並んで、なぜか「農協新聞」なんてのも置いてある。

 これでは、一杯100円の牛乳では、とうてい元は取れないだろう。

 農協としては、ここで牛乳のアピールをして、牛乳愛好家を増やしたい、という思惑もあるのだろう。

 しかし……このお店から帰ってきて、

「うむ、俺は間違っていた。今日から牛乳を飲もう!

と決意してしまう人は、あんまりいないと思うのだが……。

 

No.12 タイピングソフトは警告する(11月2日)

僕はブラインドタッチができない。

 というわけで、この間、悲しみながらタイピングソフトを買ってきて、練習に励むことにした。

 はじめる前に、まず説明書を読むのが礼儀だろう……と思って見てみると、奇怪な文面に遭遇したので、ここで密かに報告してしまう。

 これは某会社の素敵なソフトだが(あえて名を伏せる)、ここに

「健康上の安全についてのご注意」

という、極めて親切な注意書きがついている。さすがは一流のソフト会社だ。「某会社」と呼ばれるだけのことはある。

 

まずは、こういう文面がある。

「疲れた状態や、連続してプレイするのは健康によくありません。画面からできるだけ離れ、ときどき休憩を取りながらさりげなくプレイしましょう」

うむ、なるほどその通りだ。文句のつけようがない。

さすが某会社、やるじゃないか。真剣なアドバイスである。

だが、次にこのような記述があるので、僕らはなんとなく不安になってしまう。。

「ごくまれに、強い光の刺激や点滅を画面から受けたとき、筋肉の痙攣や、意識の喪失などをおこすことがあります」

おいおい、大丈夫か。むちゃくちゃ危険ではないか。いったいどんなソフトなんだ。

思わず、ポケモンのアニメを見て痙攣を起こした子供たちのことを思い出してしまう。

さらに、このような警告がある。

「このような症状を起こしたら、プレイをやめて、速やかに医師に相談してください」

こら、「意識を失っている」のに、どうやって医者に相談するんだ。むちゃくちゃ言うなよ。

というわけで、たかがタイピングソフトだからと言って、決して侮ってはいけないという事実が、ここに明らかになったのであった。さすがは、某社。実力がちがう。 僕は、このソフトで練習に励もうかと思っているのだ。

 No.13   コンピュータの舌打ち(11月10日)

 

 インターネットで、リンクをクリックするときに出るあの「カチッ」という音、なんとかならないものだろうか。

 

僕はインターネット・エクスプローラーを使っている(俗悪にも)

 使い始めた当初から、あの「カチッ」音が気になっていたのだ。

 ほかの人は気にせずに使っているのかもしれないが、僕にはあの音が、コンピュータの「舌打ち」に聞こえる。

 まるで、コンピュータが

「チェッ」

と言っているように聞こえるのだ。

 特に、あんまり人に言えないようなサイト (いわゆる高尚な学術用語に言う「エロサイト」) などを覗くとき、大変だ。

 コンピュータが、まるで

「おうおう、こいつまた、こんなやらしいサイト覗きやがってよ……ええ加減にせえよ、チェッ」

などと呟きながら、投げやりに次のページを開いてくれているように聞こえるのだ。

 これは、ほとんど、基本的人権の問題である。マイクロソフトは、何をやっているのだろうか。

 僕らは、エロサイトも自由に見る権利がないのだろうか。

 自由を我らに……。

No.14  腰を振るサンタ (12月28日)

 

最近、むちゃくちゃ忙しく、つい更新を怠ってしまったが……

 

少し話題が古くなったけど、みなさんは腰を振るサンタの人形をご存知だろう。

よく、クリスマスのシーズンに、店先なんかで必死で腰を振っている、身長20センチくらいのかわいい奴である。

あの人形の、「等身大サイズ」があるのをご存知だろうか。

この間池袋を歩いていると、そいつはあるバーの前で、一心不乱に腰を振っていた。

身長は2m近くあっただろう。

その巨体で、リズムにあわせて腰をグラインドしていたのである。

20センチくらいのならかわいいが、身長2mもある奴が腰を振るととんでもなく猥褻で、ほとんど犯罪の領域である。見てて、犯されたような気分になってしまった。

みなさんも、街でサンタに犯されないようにご用心を。

 

No.15  「王様のように眠り、大統領のように働く」(1月12日)

 

 みなさん、あけましておめでとうございます。今年もご愛顧のほどを。

 

さて、「王様のように眠り、大統領のように働く」……これは、実は近くにあるホテルのキャッチコピーである。

問題は、このホテルが実は「カプセルホテル」だということだ。

王様がカプセルホテルで寝るのか、大統領がカプセルホテルから仕事に行くのか……という数々の謎を残しながら、今日も一日は過ぎていく。

 

NO.16  巣鴨カレー (33)

 

 今日、東京の巣鴨というところに出かけたが、そこで信じがたいものを見つけた。

 名づけて、「巣鴨カレー」という。

 いや、僕は実際に食べたわけではない。恐ろしいので、店の前を素通りしただけである。

 だが、ともかく「巣鴨のカレー」らしい。少なくとも、レストランの看板にはそう書いてあった。

 かつて、「フランス風カレー」というのがあって、

「フランスにはカレーなんかないわい!

という鋭い突っ込みの声がわき起こっていたが、「巣鴨カレー」はそれを超える宇宙的なものである。

 東京は、やはりディープだ。

 

NO.17  パタパタするアウンサン・スーチー(511)

 

 ビルマのアウンサン・スーチーが、長い苦闘の軟禁生活を経て、ついに軍事政権から解放されることになった。おめでとうございます。

 

それはいいのだが、僕はスーチー女史の、解放後のはじめての演説風景を見て、目をむいた。

 必死になってマイクを持って民衆に語りかけるスーチーの横で、なんとうちわをパタパタしているおばはんがいるのだ。

 ビルマは暑い。死ぬほど暑い。しかも、今はちょうど、一番蒸し暑い五月なのだ。

 そこで、スーチー女史の暑苦しさをなんとか和らげようとして、「善意」で横のおばはんがうちわをパタパタしてやるのは分かる。

 だが、緊張感のなさはおびただしい。そこには、軍事政権の恐怖も、長い軟禁生活の苦悩もどこにもない。

いや、彼らは彼らなりに悩んでいるはずなのだが、それをすべて「パタパタ」が吹き飛ばしてしまっているのだ。

なんだか、ビルマに行きたくなってしまった……。

 

 No.18  アメリカはやっぱりアホ(616)

ネットで面白い記事を見かけた。

 

<【ワシントン布施広】16日付のワシントン・ポスト紙は、ブッシュ米大統領が中央情報局(CIA)に対し、フセイン・イラク政権を打倒するために、「あらゆる手段」を取るよう命じたと報じた。CIAや特殊部隊を投入する際は、自衛のためのフセイン大統領殺害も許可されるという。
 同紙によると、大統領の命令は(1)イラク反体制派に対する資金、兵器、装備、訓練の供与(2)フセイン政権内部やイラク軍などを対象とした情報収集の強化(3)アフガニスタン軍事作戦と同様のCIA要員や特殊部隊の投入――を含むが、特殊部隊が実際に投入されるかどうかは明らかでない。>

                                           

 「反体制派に対する資金、兵器、装備、訓練の供与」って・・・

 あのー、これこそ「テロリズム」というのですが、なにか?

 

 しかしこの記事で、アメリカの「反テロ」「悪の枢軸」なるものの正体が透けて見える。

 自分に反対するのはなんでも「テロ」で、自分がやるのは決してテロではないらしい。

 こんな国にまともについていくと、しまいにはえらい目にあうのは確実だ。

 

No.19    おそるべき「やまりん」(621)

 

「やまりん」。

 鈴木宗男氏に不正な政治献金をしたとされ、鈴木氏逮捕のきっかけを作った、恐るべき会社である。

 ところでこの「やまりん」、いつも「やりまん」と間違えて読んでしまうのは僕だけだろうか。

 いったいどんな会社なんだろう。

 オフィス中、昼間からみんなでやりまくっている会社なのだろうか。

 そんな素敵な企業なら、鈴木宗男氏が思わずワイロをもらってしまった気持ちも、わからないではないが・・・。